啓蒙思想

啓蒙思想は最初イギリスに現れました。アレクサンダー・ホープがいます。

ついでフランスに伝わりより、ラジカルに先鋭化する潮流を作り出しながら開花しました。フランスの啓蒙思想は、主要な思想家としては、ヴォルテール、モンテスキュー、ディドロ、ルソーがいます。彼らの思想は貴族の中にも浸透しましたが、とりわけ市民（ブルジョワ）の思想であり、反体制の政治的実践と結びつき、フランス革命へと合流しました。

ルソーの思想などはイギリスに逆輸入されて自然趣味と組み合わさって上流階級で流行したりしました。これは政治活動とはあまり結びついていなかったようです。

最後にドイツに伝播し、カントの思想形成にも資しました。ドイツでも政治的な実践と結びつくことはありませんでした。そしてプロイセンのフリードリッヒ二世などの啓蒙君主によって進歩的な富国強兵国家を目指す絶対主義体制に吸収されました。

ピエール・ベール(1647 - 1706)

宗教と理性と道徳を分離する方向にむかった。

フォントゥネル(1657-1757)

デカルト主義者であり、またニュートン力学に注目し、1727年に『ニュートン賞賛』を出版した。神話的説明に変わって科学的説明をしなければならないとした。またこの観点からも神の証明を試みた。

モンテスキュー(1689-1755)

『法の精神』(1748)

・三権分立の主張

・共和制について：共和制が理想的な政体であるとした。

・自由について：法が許す範囲の自由。

・政治的自由の主張。

・フランスの王政よりもイギリスの議会制民主主義に範を求めた。

ヴォルテール(1694-1778)

・人間の自由意志の有無について：最初彼は人間には自由意志があると考えていたが、コリンズの思想の影響を受けて決定論的な立場を取るようになった。

・個人の権利や政治的自由の必要性について主張。

・英国の自由の状況について高く評価した。

・政体については、絶対君主制のもとでの進歩を肯定した。民衆によっては、進歩はないと考えた。彼は政体についての考え方は保守的ともいえる。

百科全書派（ディドロ、ダランベール）

1751年に第1巻が出版された。王室はそれを発禁にしようとしたが、出版を続けた。

ルソーは百科全書派の人々とつながりが深かったが、途中から決別をした、というかディドロがルソーに反対する立場を取った。