表参道ソフィアクリニック
・80歳という長寿であった。
・フィレンツェでは工芸性が優位であったが故に、フィレンツェを離れたか。
・「絵画の王者」とも呼ばれることがあるようだ。
・結構作品が多いようだ。これらは工房作品でもあるのか。
・一種独特の神秘的な雰囲気さえ漂っている。
・人物は硬い表現である。静的。
・一点透視画法が用いられている。
・ピエロ・デルラ・フランチェスカは、1440年(28歳ごろ)にフィレンツェを離れてからは、フィレンツェには戻らなかった。高階秀爾によれば、これをフィレンツェの衰退の象徴的な出来事とみなしている。
・著作として絵画理論書があります。
上はウィキペディアの画像。これは暗い印象を与えます。
下は実物を自分で撮ったものです。健やかで爽やかで穏やかな印象がありました。
爽やかで若々しい印象です。優雅で軽やか。明るいです。そして簡素でもあります。
これは聖なる空間です。
国際ゴシックとは大きく異なります。
(ナショナルギャラリ−2018年1月)
Portraits of Federico da Montefeltro and His Wife Battista Sforza
ウルビーノ公爵夫妻の肖像
1465-66
Tempera on panel, 47 x 33 cm (each)
Galleria degli Uffizi, Florence
・夫婦の像です。
・ウフィツィ公認ガイドによれば、もともとは留め金で2枚の絵画は、連結されていて、折り合わせれたり、開いたりすことができました。これを2連画(ディプティック)と呼び、古くからの伝統で1400年代にも見れました。この作品は折り合わせれて、表表紙と裏表紙にあたるところに別の絵画が描かれています。馬車・人物・風景の絵です。
・画面は比較的明るめです。
・雰囲気は重くありません。
・横向きであるプロフィールや全体の表現は、ルネサンス初期を思わせます。しかし、この作品が描かれたのはクワトロチェントの後半に差し掛かった頃です。
・一見、今日的に言うような「人間味」には欠けるように見える顔です。目は爬虫類のようにみえたりもします。
・厳粛というかすこし冷たいようだというか、そのような側面もあります。これはルネサンスには肖像画を描くのにも、そのような側面が多くあったのではないでしょうか。
・よくみると、お互いを見つめる二人の愛情のような眼差しが交わされています。そして二人はうっすらと微笑んでいます。お互いが一心同体、運命共同体、そしてそのうえで信頼もしていようです。そこはかとない穏やかな愛情でもあるでしょう。真正面から目と目でしっかりと見つめ合うこの夫婦が、どのような関係であるのかということを垣間見ようとして思いを巡らせることもできるでしょう。
・なぜ、この夫婦は向かい合わせに描かれているのでしょうか。
・このように向かい合わせに描かれることは当時大流行した様式だったとのこと(ウフィツィ公認ガイドより)。だからといってこのように描いたことが説明され尽くされたわけではありません。
・細密で、繊細で、微妙なニュアンスも描かれています。
・卓越した作品だと思われます。
・背景はフェデリコが治めた土地の風景が描かれているとおもわれます。
・みたところ穏やかな土地です。
・平和です。
・アルカディアのようなニュアンスが漂っています。
・この風景はフランドル絵画あるいは北方絵画のの影響を受けているでしょう。
・妻の側の風景と夫の側の風景はつながって、一つの風景になっています。
・城壁。海へと出る河または入江。船が2隻。農地が広がっています。遠景は幽玄さもたたえています。
・妻の頭髪、真珠などの宝石、肩から上でにかけての生地の装飾などが豪華に、そして丹念に凝って描かれています。
・フィデリコは騎士合戦をした時に、鼻を負傷して、鼻がまがってしまい、それも描かれているようです。この鼻は生まれつきこうだというわけではないということです。
・鼻やホクロの描写から、事実・現実をそのまま映し出す細密描写の姿勢を見ることもできるかもしれません。しかしそれであっても多少なりとも美化している可能性はあります。
これは裏面