表参道ソフィアクリニック
ワトーの諸作品の中では、細かくよく描かれている方です。修復の状態にもよるのでしょうが。ギターを弾きながら、哀愁に満ちています。旅芸人でしょうか。背景には後ろ姿を見せている女性の彫像があり、これは理想の女性像を表しているのでしょう。彼は、甘い恋の歌を歌いつつ、渡り歩くのです。昔の女性への回顧、それにまだ見ぬ女性へのあこがれが重なっています。演劇的でもあります。そしておそらく男性にも女性にも喜ばれて受け入れられる歌を歌っているのでしょう。
(メトロポリタン美術館2018年)
Mezzetin, a stock comic character of the Italian commedia dell'arte, became an established performer on the Paris stage. Various players were engraved in his costume, which by about 1680 comprised a striped jacket and knee-britches, a floppy hat, a ruff, and a short cape. Mezzetin was by turns interfering, devious, and lovelorn, but not languorous. His head and his large, angular hands are extraordinarily expressive.
ヴァトーの有名な作品の一つです。
柔らかい筆触で描かれています。
メズタンは、コンメディア・デッラルテのキャラクターの一人で使用人の身分だそうです。ここでは報われない恋を虚しく追い求めるメズタンが描かれています。背景には背中をむける石像が描かれていますが、これは恋が成就しないことを暗示している、と一般に見なされています。失恋の哀しみを唄っているようです。それとともにまだみぬ憧れの女性を唄っているのかもしれません。
2022年春メトロポリタン美術館展 国立新美術館