表参道ソフィアクリニック
1436年完成
『サー・ジョン・ホークの葬祭の記念碑』フレスコ画。
サンタ・マリア・デル・フィオーレの祭壇に向かって右手側の壁に設置されています。カスターニョの似たような作品と並べられて比較し、あるいは競うように設置されています。
ここでも台座の遠近法に着目されたりもします。
1438−40年
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵
修復したのか、保存状態が良かったのか、割とすっきりと遺(のこ)っています。ウフィツィやルーブルのものより綺麗だという印象を受けます。
遠近法の一つである短縮法が用いられていることが特に目立ちます。横たわる人物や地面に落ちている折れた矢が短縮法で描かれていることがとりわけ強調されています。この画家がこの絵を製作するにあたって、探求していた技法の一つようです。
表現はなかなかダイナミックでであるのも特筆すべきです。三作品の中で一番ダイナミックです。とりわけ戦闘する者たち、背景の兵達、ひらめく旗などがそうです。ひらめく旗のオレンジ色が効果的です。これは色彩のポイントになっています。
この作品は見たときの印象は他の2作品より良いです。ただ、歴史を感じさせるような重厚さが少なめに見えます。
総じて、他の二作品以上に見応えの良さが印象付けられる作品です。(ルーブルのは動きが少な目なのが、今ひとつです)
(2018年1月ナショナルギャラリー)
立体的でシンプルですが、ゴージャスな作品です。以外に細部が細かく、念入りで、クリアであり、素晴らしいです。
National gallery, 2020.1.
ルーブル美術館所蔵
1435 - 1440 La Bataille de San Romano: la contre - attaque de Micheletto da Cotignola.
絵は劣化で錆びたようになっています。劣化によるのですが、いぶし銀のようになって味わいがあります。その点ではとくに甲冑に注目です。また烈しく獰猛な馬は、歯を剥き出し睨んでいます。この絵はとても造形的に美しく優れた作品です。
Louvre2020。
ウフィツィ美術館所蔵作品
・一騎打ちのような騎馬合戦にも近いと思われます。
・突かれた兵が足を踏ん張って後ろに向かって倒れかかっている。ダイナミックである。
・大物を倒した決定的な瞬間です。
・気迫があります。とくに突いた兵と、突かれた兵。
・兵が入り乱れ、塊になっています。
・中世の絵画の静的なものと比べると全く異なります。
・フランチェスカのような静的な遠近法でもありません。ウッチェロはしばしば、遠近法に熱中したと言われますが、ここでは、静的な遠近法は目指していません。
・遠近法とダイナミズムが融合しています。
・遠近法、ダイナミズムとともに装飾的です。
・元々は3つが並べられていたのでしょうか。
・非人間的な兵士。
Scenes from Monastic Life
1460
細かく描かれています。全体のトーンは暗めです。
修道士の生活の数々を描いているらしいます。画面中央上に聖フランチェスコの聖痕拝受、画面中央の右上に十字架を崇拝する聖ヒエロニムス、左下の隅には聖母の出現とそれを崇拝する聖ベルナルドゥス、右下に聖ベネディクトゥスの説法が描かれています。通常は一人の聖人だけを描くことが多いですが、この作品では、このように幾人もの著名な修道士がいる、修道の世界を描き、その雰囲気を伝えます。修道の世界の理想郷・アルカディアのようでもありますが、それにしても照明のせいもあるかもしれませんが、全体に暗いです。
フィレンツェ・アカデミア美術館2019年