表参道ソフィアクリニック
猫達が興味津々で、ひたすら獲物の鳥を見つめています。大きな瞳で、ただこれを捉えたい、食べたいという動物本能のみです。これはこの子の将来にもありうる出来事かもしれません。その顔は明るく美しくて照らし出されています。この子は無力であり、王侯貴族の弱く脆弱な血筋と運命を受け継いでいるかのようです。女性的な格好をさせられているのは当時の習慣でしょう。鳥たちは、王侯貴族の弱さを反映しているかのようです。この階級は新しい勢力によって喰われるのです。この政治世界の冷血な恐ろしさを表しているかのようです。
これが描かれたのはフランス革命が勃発する少し前の時期です。
この猫は、あるいは幼い生命を奪う死の運命ということかもしれません。
この子は8歳で死去しました。
(メトロポリタン美術館2018年)
しかし、ここには冷徹さとともに、何か喜劇的な要素も含まれているようです。
弱くて、純真無垢で、生命力が弱く、陰が薄いです。そして美しいです。
奇妙で、薄暗く、不気味で、怪しい二人の男。これは何を意味しているのかよくわかりません。二人の女性は若く、金糸の生地の衣装で美しく着飾っていて、かなり貴族の娘か、あるいはブルジョワ娘です。多分後者ではないでしょうか。育ちは良さそうです。笑顔を浮かべていますが、どことなく妖しげな雰囲気です。背景と全景はコントラストになっていますが、呼応もしているかのようです。
(メトロポリタン美術館2018年)
自分で撮影。2018年1月 ナショナル・ギャラリーにて
とても大きな瞳。分厚い唇。大きめに開いた胸。この女性の雰囲気は、正義、情熱、愛情を感じさせます。
彼女は、何か一点を見つめています。その眼差しは明るいです。そしてそこには希望があります。ただ何か少し憂も混じっています。
肘と胸を張った、堂々とした女性像です。
素晴らしい一品です。
2018年1月 ナショナル・ギャラリーにて