表参道ソフィアクリニック
サン・セバスティアンの殉教
ウィーン美術史美術館にて
小さな作品ですが、細密です。全身に15本の矢が突き刺さっています。特に下顎から前額を貫通しているものもありますが、どれも致命傷にはなりませんでした。
雲は馬上の人物が描かれています。これはなんなのでしょうか。
マンテーニャの会心の作品の一つです。
マンテーニャは古代に関心が深かったようです。
ギリシア語でアンドレアの絵と書かれているそうです。
15本の矢に貫かれても絶命しなかったために、一般に縁起がいいとされています。
Vers 1480, Saint Sébastien 麻の画布にテンペラ。
薄塗りで、なおかつ濃い色をつかっていません。もの凄い薄塗りを少しずつ重ねていったのでしょう。また、上から白色でも塗っています。日本画で絹の上に描いているのにも似ています。
Louvre 2020.
La Vierge de la Victoire
ルーブルのギャラリーに並ぶ、他の諸作品の中でも、ひときわ光る個性的な作品です。油彩による細密画の巨匠であることを示す作品です。ただ、若い頃の作品とは画風は異なっています。時期によってマンテーニャの画風は変遷するのでしょうか。工房で他の弟子たちがどれくらい関わっているのでしょうか。
au musée du Louvre en janvier 2019
Fait partie d'une série de cinq tableaux, tous conservés au Louvre
細密さと奇怪さが組み合わさった異色の作品です。
奇怪な世界観であり、現実世界と異界が融合しています。もっとも現実世界に異界が垣間見られるのではなくて、完全に異界を描いたものです。完全に異界を描くが故にカリカチュアであり、かえって深みに欠けます。風刺という点で、あるいは意味深いものがあるのかも知れませんが、もはやどんな風刺なのか、どんな意味があるのかについて興味は薄いです。
だっどふうにも見えて、マンテーニャにももしかして精神病的な側面があったのかも知れないとさえ思われるのです。
Louvre 2020