表参道ソフィアクリニック
油彩は、白を混ぜて明暗を表現します。なおかつ混色です。それによって透明感が欠如しがちです。これは油彩の宿命でもあり、油彩の縛りになります。
モネの筆触分割によって画面が明るくはなりましたが、やはりこの縛りから解放されません。
その後の展開は、モネをはじめとする印象派にたいする、アンチであるとも見ることもできます。
点描技法では、白を混ぜるが、混色にならないように点描にすると、目の中で合成されて、明るく、透明感が出ます。
またアンチ・印象派として、セザンヌからキュビズムへの流れがあります。この流れでは、白を混ぜたり、混色にしても、渋い味わいがある描写法となります。比較的白色を混ぜる度合いが少なかったりするようです。形象を分割するのも、この渋味のためでもあります。形態を解体するだけでなく、描く対象の質感を表現することも放棄します。かわりに絵画の画面上の質感を表現します。マットで渋い質感です。キュビズムでは白を混ぜる度合いが少なめにして、比較的薄塗りによって、不透明を克服し、比較的透明感があり、フレッシュな印象があるのが特徴的です。ります。
また、マチスらのフォービズムでは、原色に近く色が鮮やかです。またしばしば薄塗りでフレッシュです。あるいはガッツリと厚塗りもできます。