表参道ソフィアクリニック
ジョット 十字架 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会に設置されています。 長細い聖堂の中央あたりに吊り下げられています。
イエスの右脇から血が勢いよく噴き出しています。手や足からの流血も生々しいです。
そしてイエスの表情は、悲しみと痛みと苦しみの人間的な表情をしています。このイエスの表情は、脇などからバッと吹き出す血と対応しています。
両側に描かれている聖母と使徒聖ヨハネは悲しみに暮れています。
イエスの身体のグラデーションの表現が優れています。このイエスの身体の肌は緑がかっています。身体は絶命に向けて急速に衰えているようです。
イエスは無抵抗でこの運命を引き受けました。この作品は、苦しみを受けること、受苦がポイントでもあるようでした。
総じて、この十字架像は人間の真実を表すものという印象を受けました。
背景の装飾も綺麗です。
Dipinto per la chiesa di San Remigio tra il 1360 e il 1365. Agli Uffizi dal 1851.
感情表現がしっかりとしてあります。表情などの表現もより人間的です。マザッチオのスクロヴェーニ礼拝堂の人間的な表現以前にすでにここまで表現しているのです。既に1300年代半ばでこれだけかけるのですね。ジオットをルネッサンスに入る前の段階であるプロト・ルネサンスとして位置づけることにより理解ができます。全体に造形的にもとても卓越しています。
とても美しくこの作品も優秀な修復の手が入っているのでしょう。
{ウフィツィ2019)