表参道ソフィアクリニック
19世紀ウィーンの美術界で、アカデミック美術の流れにある代表格であり、「画家のプリンスMalerfürst」などと呼ばれた。現代では一般にはあまり知られていないが、当時のウィーンでは大変に人気が高かった。
メッサリナの役に扮する女優シャーロット・ ヴォルター
1875 年 Wien Museum
ギュスターヴ・モローやアングルなどのフランス絵画の影響もあるのでしょう。
顔の描写が緻密でグラデーションが繊細です。クロワソニスムに近いくらいに顔の輪郭がしっかりしていて、カチッとしています。首から図などの装飾も優れています。それ以外は、やわらかく描かれています。
古代的であり、また高貴で優雅な美しさと残酷さ、そして様々な要素が共存しています。
背景は、なにか燃えているようにも見えます。
メリッサはローマ帝国第4代皇帝クラウディウスの3番目の妻です。メッサリナは、繁栄するローマの由緒のある家系に生まれ、たいへん裕福でした。とても美しかったと言われています。20歳弱でクラウディウス帝の3番目の妻となりました。彼女は皇妃という立場にありながら性の快楽に耽溺していろいろな男たちと交わり、さらに売春宿にスキッラという名前で売春婦として働いていたとされています。また皇帝をそそのかして敵対者たちを処刑させるという冷酷な女性として知られています。彼女は愛人と共謀してクラウディウス帝を暗殺しようと企て、露見してしまい、皇帝により処刑されました。28歳の若さでした。ローマが繁栄するなかで、権力中枢の退廃ぶりを象徴する人々の一人です。
因みにクラウディウス帝の4番目の妻は小アグリッピナであり、彼女がクラウディウス帝を暗殺した黒幕ともされ、しかし結局、小アグリッピナ自身は自分の息子である皇帝ネロによって殺害されました。
ドーラ・フルニエ=ガビロン
1879-80 年頃
Dora Fournier-Gabillon
この作品はアカデミズムの観点からすれば油彩粗描を残していて、新しい美術の観点からすれば完成作品に近いです。それらの両方を兼ねているようにも見えます。赤色が主調の色彩になり、柔らかさとダイナミックの両方を備えたような筆触です。
油彩粗描(esquisse peinte à l'huile)とは、完成作の実現前に主構想、比例、構成などを示すために油彩で描かれたものです。
古い絵画のダルい感じがなくて、見やすくて鮮やかな印象です。
ウィーン・モダン2019国立新美術館
マカルトの作品は、従来の絵画のダルく鈍いような印象を避けています。深みはともかくも、見やすくて鮮やかな印象です。