表参道ソフィアクリニック
19世紀のうしろ4分の1あたりは、印象派に代表されるように厚塗りの画法が優勢になります。印象派というととかく光だとか明るさが最も強調され、次に筆触をあえて残すことが着目されますが、厚塗りであるということはあまり着目されません。
そもそも油彩の起源においては、薄塗りを丹念に重ねていたようです。それによって緻密に形態とグラデーションを表現していました。それはリアリズムの技法でもありました。ダ・ビンチのモナリザその他もそれが表れているようです。
19世紀のうしろ4分の1あたりは絵画の変革の時期でしたが、画法の変革でもありました。分厚くコッテリと塗るのです。こうして筆触が明らかになりますし、色がはっきりとしやすく鮮やかにもなります。こういったことは主に印象派によって為されましたが、それ以降でも、いろいろな流れにおいてやはり厚塗りの画法が採用されたのでした。
印象派は永遠のものよりも、移ろいゆくものを描きます。