表参道ソフィアクリニック
<2018年春 ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜展>
16世紀フランドル絵画(現在のベルギーに相当)の画家ピーテル・ブリューゲル1世(一族の祖になります)や、2人の息子(ピーテル2世とヤン1世)、孫、ひ孫の世代まで、一族に連なる9人の画家の作品が展示されます。
この一族の中で特に優れているのは、ピーテル・ブリューゲル1世(つまり父親)であり、続いて、「花のブリューゲル」ことヤン・ブリューゲル1世(つまり父親)です。ピーテル2世は時に見るべきものがあります。
今回はピーテル・ブリューゲル1世の作品はほとんどありませんでした。
ヤン2世は今ひとつのようです。この展覧会で、ヤン2世があまり上手くないことを確認したような気がしました。何か手つきが悪いです。
ピーテル・ブリューゲル2世 Pieter Brueghel the Younger 野外での婚礼の踊り The Outdoor Wedding Dance 1610年頃 ca. 1610 油彩/板 Oil on panel 74.2×94cm 個人蔵 Private Collection
この展覧会のメインの作品です。
飲んで、踊って、猥雑にしてカーニバル的快楽の発露が見られます。
ここで新郎新婦を見いだすのは難しいのですが、奥に描かれてるとのこと。ピーテル1世が書いた下絵のようなものがあるらしいですが、それに添え書きされているのは新婦が妊娠していたということだったらしいです。もっともこの絵を見てそのことは確認できませんでした。新婦は画面右上のテーブルに座っています。目を伏せて楽しげではありません。フランドルの風習では新婦は食べることも話すことも許されていなかったからでしょうか。あるいは妊娠していたからでしょうか。また当時の習慣で新郎は婚礼の宴席には出席しないことになっていたようです。ですからこの作品の中には新郎はいないのでしょう。
<2018年春 ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜展>
ピーテル・ブリューゲル2世 Pieter Brueghel the Younger 聖霊降臨祭の花嫁 The Pentecostal Bride 1616年以降 After 1616
とても細密に描かれています。これは収穫祭を兼ねた聖霊降臨祭だとのことのです。このタイトルの「花嫁」とは子供達の一団の中央あたりに花婿と花嫁に扮した子供がいることによります。これは収穫祭だからでもあってか、お祝いのご馳走をもらうためだとのこと。
和やかで、ユーモラスに描かれています。可愛らしい作品です。小人の世界のようにも見えなくもありません。
<2018年春 ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜展>