表参道ソフィアクリニック
アンドレア・デル・サルト
Andrea del Sarto
1486 - 1531z
sartoとは仕立屋の意味であり、アンドレア・デル・サルトとは「仕立屋のサルト」ということである。仕立屋の息子だからそのように呼ばれていた。
フィレンツェに生まれ、後期ルネサンスの時期に活躍したが、ラファエロ、ミケランジェロなどがローマにいて、フィレンツェの画家たちも他の都市に流出していたが、彼はフィレンツェに住んでいた。
ピエロ・ディ・コジモに師事した。
1518年−1519年にフランソワ1世に招かれて、フォンテーヌブロー宮殿に赴いた。
彼の弟子からは幾人かのマニエリスムの画家を輩出した。
1516
ルーブルにあって、サルトルらしさがよく現れていると思われる一枚です。もっともウフィツィにある下の作品のほうがサルトルの代表作であり印象的です。
同心円状の構図です。
サルトルの諸作品の中では優美な方ではないかと思われます。柔らかいです。
Louvre 2020.
アルピエの聖母
1517
ウフィツィ美術館 にあって、彼の代表作の一つとされる作品です。
左右対称で、四角形とその上にピラミッド形(頭部を線で結んで三角形)を組み合わせて、安定した構図にしてあります。こういった安定構図がこの画家の古典的な側面をより明瞭にしています。
レオナルドのスフマート技法に影響を受けて、輪郭が微妙にぼやけています。
赤と後の対比は、次の時代の潮流も感じられます。
また、タイトルの「アルピエ(ハルピュイアとも呼びます)」とは、台座に描かれている怪物のことです。これはギリシア神話にでてくる奇妙な怪物であり、鳥の身体に女の乳房と顔が組み合わさっています。この怪物は「掠め取る者」、「むしり取る者」、また貪欲の象徴とされます。
ここに登場してくる聖人たちの表情はどことなく優れません。全体にどことなく暗くて奇妙な感じがするし、古典主義的であると共に、正統的な古典主義ではありません。
2019年4月ウフィツィ美術館にて
The so-called Portrait of a Sculptor, long believed to have been Del Sarto's self-portrait.
顔の立体の描写、そして光と陰影の巧みさがまず目を引きます。形が整っています。デッサンの基礎がしっかりしていることによるものと考えられます。しかし不思議なことに、サルトの他の作品では顔がうまく整っていないところが散見されます。
目と表情は落ち着いています。それを知性と呼ぶのかどうかは判りません。一応書物は持っているのですが。色調は白、グレー、黒がメインであって、肌色と良好なトーンを形成しています。
National gallery, 2020.1
Andredelsartoselfportrait
Assumption of the Virgin (Poppi Altarpiece), 1530
1550年
ピッティ宮殿2019.5
教会に設置される巨大な作品です。大味なかんじがします。
アカデミア美術館に展示されている作品です。
キリストが座っている像です。責め道具もあり、これらで苦しんでいます。しかしこれらのアイテムはキリストの宗教的な存在意義に重要な関係があることを暗示しています。
この絵画の全体の雰囲気はサルトらしい一面が現れているのでしょう。
アカデミア美術館2019