表参道ソフィアクリニック
弟子たち(正確にはソクラテスの弟子でない人たちがほとんどでしょうが)の劇的な身振り手振りは、ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』からも由来しています。
この絵画の内容は大したものとも思われません。ただ歴史的な逸話、つまりある高明な哲学者(つまりソクラテスですが、それは比較的脇の事です。)が天上あるいはイデアに殉じることを弟子たちに説きつつ、その世界へと赴きます。天井を指すこの手も、ダ・ヴィンチを思わせます。もっとも、ダ・ヴィンチほどは神秘性や測りがたさはありません。むしろ、ダヴィッドの方ははっきりとしています。はっきりとしているだけに、かえって奥深いとも思われません。この絵画はリアルに描くことが目的であり、ソクラテスの脚の静脈までもが、細密に描きこまれています。新古典主義絵画を宣言するかのような作品群の一つです。ロココからは完全に抜け出した、真面目な作品です。
(メトロポリタン美術館2018年)
革命前の作品です。40歳の頃です。ロココ調です。
この男性は科学者です。とても巧みに描かれています。対角線とピラミッドの構図が組み合わせられて安定感があります。
妻は手を夫の肩に手軽に乗せて、夫は妻の方を見上げています。お互いに信頼をし、中が洋々です。夫はとても穏やかそうです。彼は科学研究の記録を付けています。
ロココ調の服装をしていて、画風も優雅で落ち着いていますが、描き方は新古典主義です。
(メトロポリタン美術館2018年)