表参道ソフィアクリニック
1794年
Marat assassiné
硬質な、カチッと引き締まった。
マラーの死を象徴的に描いています。黒の背景はドラマチックです。薄緑色の生地は彼の心の清潔さを表現しているようにも見えます。
本に書いているのはラテン語でしょうか。
幸福な死でもあります。彼は天国に行くのでしょうか。
ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房
《マラーの死》
レプリカ
1794年頃 油彩/カンヴァス 162×130 cm
ルーブル美術館展2018年
ルーブル美術館にあるこの作品は、レプリカつまり複製画です。オリジナル画の翌年1794年に制作されました。4つのレプリカの中では、この作品が一番良いと思われます。オリジナルはベルギーにあります。
表情には、満足感と充実感さえ見られます。それは自分の生涯を象徴するかのようです。これは政治的な絵画です。ダヴィッドは政治活動家でもあり、この作品は政治活動に供されたものです。それでいて芸術的作品です。ダヴィッドは、政治と絡むことで、芸術的で良い作品として開花しました。彼の優れた作品にはどれも政治的な匂いがするのです。その点、美術史の中でも特異です。稀に見る政治的芸術家です。
これはフランス革命の特異性に由来するものとも思われます。
(2018ルーブル美術館展)
以下引用:
フランス革命の重要人物であるジャン=ポール・マラー(1743-1793)は、急進的なジャコバン派に与し、『人民の友』紙で激しい王政批判を展開して民衆から支持を得ました。しかし1793年7月13日、皮膚病の治療のため湯につかりながら仕事をしていたマラーは、対立するジロンド派の若い女性、シャルロット・コルデーによって刺殺されてしまいます。その翌日、国民公会は、ジャコバン派に属していたジャック=ルイ・ダヴィッドに、マラーの肖像の制作を依頼しました。4ヶ月後の11月14日に国民公会に寄贈された肖像画はたちまち評判となり、ダヴィッドの監督のもとに数点のレプリカが制作されました。本作はそのうちの1点です。ダヴィッドは、若い頃に影響を受けたカラヴァッジョの《キリストの埋葬》(ヴァチカン絵画館)から、だらりと腕を垂らすポーズを取り入れ、マラーを革命の「殉教者」に変容させました。その身体は、均整のとれた体格に理想化され、英雄性を帯びています。
参考にされたとされるカラヴァッジョの作品です。
ミケランジェロ ピエタ
これはマラーがオリジナル作品です。フランスではなくベルギーにあります。
du 13 juillet 1793. Marie anne Charlotte Corday au citoyen Marat. Il suffit que je sois bien malheureuse pour avoir droit à votre bienveillance. (不幸であるなら、私にはあなたの助力を乞う権利がある)」
シャルロッテンブルク宮殿蔵
ベルヴェデーレ宮殿所蔵
マルメゾン所蔵