表参道ソフィアクリニック
ファン・デル・ウェイデンは、ファン・アイクに一足遅れて北方絵画のクワトロチェント前半期の細密画の頂点のひとつを作っています。
リアリズム絵画というよりも緻密画です。対するファン・アイクの方は緻密なリアリズムを追求しています。
1440年ごろ
キリスト磔刑の三連祭壇画
<ウィーン美術史美術館にて>
あまり大きくないが、とても細かく丁寧に描かれている。
肌の表現もきめ細かである。
画面は明るめである。明るく明瞭であり、新しい時代を表すようである。
マリアの悲しみの表情。赤い服を着た男性は福音書記者聖ヨハネである。
風で舞い上がるキリストの布。それと呼応するように青い天使たちの布も舞っている。ヨハネの生地も風で舞っている。
それとは対照的に、寄進者である夫婦は手を合わせて祈っている。
15世紀には教会はこのようにしてキリストの苦痛を心の中で体験するよう取り入れるように指示していたという。その表情は苦痛そのものというよりも苦痛の内面化、そしてキリストに思いを馳せて想像するような表情である。
向かって左はマグダラのマリアであり、右は聖ヴェロニカである。聖ヴェロニカは汗を拭く布を手にしている。
遠景にはエルサレムの街並みが描かれている。
寄進者たちがマリアやヨハネと同列に置かれているのも特徴の一つのようである。
vers 1440
ルーブル美術館
1435-9
この作品を見るとやはりウェイデンは北方絵画の細密画の頂点の一つです。しかし、この絵を見る限りでは、ファン・アイクと比べれば、ファン・アイクの方が上だとおもいます。
(ナショナル・ギャラリー2018年1月)
ウェイデンの目を引く作品の一つです。
2018年1月ナショナル・ギャラリー
1460
これも見栄えのする作品です。ウェイデンが優れていることをうかがわせる作品です。
ナショナルギャラリ−2018年1月