表参道ソフィアクリニック
『四季」 1573年
アルチンボルドから2枚が出展されています。4点組の「四季」連作から春と秋です。この前のアルチンボルド展に引き続き、またもや来日です。
この四季は神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世からザクセン選帝侯への贈り物として製作されました。
神聖ローマ皇帝(帝都ウィーンにいました)は、広大な領地を支配していました。解説では、強大な権力の隠喩をここに読み取れると書いてします。それはそうなのでしょう。しかし、果たしてそれだけでしょうか。神聖ローマ帝国はむしろ低落傾向ではなかったのでしょうか。広大ではあっても、そもそも、多種多様なもの寄せ集め的な帝国であり、帝国というにはあまりに緩やかな統治であったようです。皇帝といってももともと傀儡の地位であり、それがたまたまハプスブルク家が強い力を持つようになったということであり、ただそのハプスブルク家も徐々に衰退に向かっていって、皇帝の地位も大して意味のあるものでも無くなる傾向にありました。
広大な帝国で、多くの地域を寄せ集めることはできても、はっきりとした統一された意識、同一性は低めのようです。
寄せ集め国家の寄せ集め人間の芸術文化を作ろうとしているかのようです。
ルーブル美術館展2018年